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生まれた時から兄弟のように育った飼い犬が死んだ時、

僕は彼との思い出と共に、寂しかった幼少の頃を思い出し

堪えきれずに涙が出そうになった。

泣き始めたら、多分何時間でも泣いてしまっただろう。

でも僕は泣かなかった、いや、泣けなかった。



うさぎの様に目を赤くした彼女が泣き出してしまったから。





<時の森のアリス>



僕が彼女と出合ったのは、駅からバスで20分ばかり揺られた所にある私立高校の中庭だった。

わずかに残った桜の花びらが、まるで春の宴の形見のように湿った地面に張り付いていた。

毎年の事ながら、この時期の一大イベントで校内は沸き立っていた。

新入生のクラブ・サークル勧誘だ。


僕はと言えば、中学3年まで寝る暇も惜しんで練習に励んでいた陸上を

交通事故というわずか一瞬の出来事で断念せざるを得なくなり

10年間の僕のすべてと言っても良い大切な物を永遠に失ってしまった。

別に走って走れないわけじゃない。

でも、タイムアタックが出来ないということは

もう僕にとっての『走る』は『無意味』だった。



広い中庭の外れには杉の木が植えられていて

杉の木の下には間隔を置いて腰高の木が植えられている。

そこだけがまるで暗転したようにほの暗く、小さな森のようになっていた。

僕はその陰に座って読みかけの本でも読もうと、

中庭の興奮状態から逃れるように人気の無い杉の方へ向かった。





< 続く >・・・・・・・か、どうかはわからない(´・∀・`)ヾ

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